副院長の往診

2018/06/29

先日、貴重な経験をしました。
国際会議に出席をするために来日されていた、とあるアラブの王国の王族女性に鍼施術を依頼されたのです。
本来、医療行為に対しては、女性も肌を露出する事は認められているそうですが、ご本人の希望で女性鍼灸師の、滞在ホテルへの往診という形での施術となりました。
静岡県からも女性マッサージ師がお2人呼ばれていて、タッグを組んでの、五十肩治療になりました。
王国のほうでも民間医療を受けて受けておられ、フランスでも整形外科にかかられていますが、日本の鍼灸・マッサージの繊細な技術の評判を耳にされていて、在日中のご多忙な時間の中、施術の為の時間を作られたそうです。
鍼治療は全くの未経験。とても緊張されていました。
使い捨てのディスポ鍼をお見せして、衛生面の安心をお伝えしようとしても、鍼が怖くて見られないほど。
刺激が強くならないように、いわゆる美容鍼の際に使う、とても細い鍼を使いました。
石灰化(関節内にカルシウム成分が沈着)があり難しい状況でしたが、首肩腰腕を中心に、また頚部の筋緊張に対し、後頭部・側頭部にも施術しました。
鍼治療のあとはベテランマッサージ師の先生方が、時間をかけて全身にアプローチされました。
翌日、肩の痛みがほとんど無くなり、ほんの少しの違和感程度までに改善したことで、喜んで帰国されたとの事。心から嬉しく思います。
文化や習慣、思想、は違いますが、健康でありたいと願う患者さんの思いは同じです。またなんとか辛い症状を癒してあげたいと努める施術家の思いも通じました。
ありがとう、とカタコトの日本語とともに握りしめられた両手が温かく、忘れられない貴重な経験となりました。wink